イチチ 【yew】

投稿者: | 2018年10月17日

第1巻 5章p.126

ヴォルデモート卿の杖に使われている木材の名。
ホグワーツの禁じられた森やリトル・ハングルトンの教会墓地に生えているいわくつきの木。
イチイの木は常緑樹で一年中若々しく生い茂っており、長寿の樹木として名高く、古くから「不死」の象徴とされてきた。
肉体の死を超越した永遠の生命を宿す木として、珍重され、死者を守り、不死へと浄化する力があると信じられてきた。

精霊が宿る木として、教会墓地によく植えられる。

大弓を作るのに適しており、弓を意味するギリシア語taxus(タクサス)と同じTaxusが学名としてつけられている。

イチイ属の木には、心臓麻痺を誘発させるアルカロイドの一種タキシンを含んでいるため、煮出して取り出したその毒を槍先や矢じりに塗って、
攻撃性を高めることに使われた。

毒の成分と弓の材料という二重の用途を持つイチイは「二重に死を招く木」として、いわくつきの代物として、恐れられた。
イングランドのウィリアム2世、ハロルド王、リチャード1世など名だたる英雄たちがイチイの木で作られた弓の前に倒れた。

古代アイルランドではイチイは、最も崇高な樹木として、崇敬された。
「魂は不滅で、死ぬと他の体に入り、永遠に再生を繰り返す」と考えられ、ドルイド(ケルトの祭司)たちにとって、この木は、
死を超越した永遠の生命のサイクルを創り出す象徴的な存在とされた。

こうした類まれな生と死の間をつなぐイチイの木で作られた杖は、未来を占う力、そのものの潜在的な力を引き出す力、
それら無限の力を秘める。